2018年度 発表会完走のお礼

 先日、2019年9月20日市川市文化会館小ホールにて無事スケジュールされた発表会が全て終了致しました。

 ご参加頂いた生徒の皆様、共にご父兄、祖父母の皆様並びに招待客の皆様、また、指導にあたられた講師の皆様、舞台を作り進行して頂いた市川市文化会館の皆様、時間的なスケジュールを守り動いて頂いた運送スタッフの皆様、当日会場で受け取れるように現場待機していただいたお花屋さんのスタッフの皆様、最後まで一人で片付けをしていた写真屋さん、時間通りに配達してくれたガストルームサービスのスタッフさん、最後に当店のスタッフの皆様お疲れ様でした。

 毎年アナウンスしているように当店の発表会はクローズドです。招待された方しか入場ができません。
 私がこの仕事アルバイトとして始めた時代は「発表会は宣伝にもなるから」というスタンスで動いていましたが、たまに怪しい人が入場するようになり、小さい事ですがちょっとした事件もあったおかげで完全クローズドにしました。
  ・誰でも入場可能にしておくと招かざる客も入ってきてしまいます。ただそれはそれで悪さしなければそれでいいとも思いましたが、とにかく風貌が凄いのと発する臭気がとんでもない方々がおられて、会館に相談した所、人権問題もあり強制的に退場させる事は出来ないとの事でした。
  時期が寒い時期という事もあり、夜間寝られないのでこういった場所に入ってきて眠る事があるそうです。当時の当店先輩に対処法を聞いた所、千円札を2~3枚渡すと帰るというアドバイスも貰いましたが、それが決裂した場合は余計にこじれるとの事でした。
  ・また講師が高い台に乗せたドラムを演奏する際、キュロットの隙間が気になって最初はステージの下からハァハァ言いながら使い捨てカメラにて撮影をしていたのですが、そのうち興奮してステージに上がってきてしまい、現場にいた私に首根っこ掴まれてハッとし逃げました。直後に階段で確保しカメラは自ら破壊して頂きました。
 発表会当日で演奏中でしたが捕り物が始まってしまい、多くの方々にご迷惑をかけた経緯もありました。

 ・都内のホールで発表会を開催した時は朝一番から見慣れないグループが入ってきてプログラムを貰い、ひとつひとつ生徒さんの名前にチェックを入れて誰がどう見ても素人が扱うカメラ類ではない機材で3方向に別れ撮影を始めました。こういった人達も後から生徒さん達に売りつける商法があったり、本人や保護者の知らない所で取引をされても困りますので、現場にて撮影を中止して頂きました。でもまぁ女性も数名いましたがあちらも商売でやっているみたいで最後は力づくに近い感じまで行きましたが、なんとか撮影を中止にまでする事が出来ました。しかし発表会当日本番中の事なので来館になられたご父兄も不安になられた方もいらっしゃると思われます。
 私としても普段から接している子供達が見ている前で怒鳴ったり相手の胸倉掴んだり掴まれるのは本意ではありません。
 ましてやその場で刺されてたりしたら発表会そのものが中止になってしまいます

こういった理不尽な人達を排除する目的で「関係者のみ」の入場となりました。

そのおかげかどうかは定かではありませんが、ここ十数年招かざる客は入ってこなくなりました。
お客様にとっては「嫌だなぁ」、とか「怖いなぁ」とか「臭い!」という迷惑な客はご遠慮いただけるシステムに近いかと思います。(生徒さんが招待した人はこの限りではありませんが)

また一部の生徒さんのご父兄におかれましては個人的にちょっとでも怪しいなと思ったらスマホで静止画で良いから撮影しておいて下さいと依頼しておきました。
幸いな事にそういった事はありませんでしたが、心積もりを頂いていてもらっていた事には違いありません。

今年も無事に事故も事件も無く発表会を完走させて頂き誠にありがとうございました。

ココから先グチになりますが、音楽大学の偉い先生等に子供のピアノの発表会を子供達にとってもっと楽しくする方法は無いか?と数名に聞いてみた所、みんな黙ってしまいました(笑
数十年考えてやってみて考えてはやってみての繰り返しの結果、小学校低学年で初級レベルにある子供がクラシックを聞いて楽しめるとう方法は日本の文化の中には相当難しいようです。

講師達も出来る限り頑張って様々な事を提案し実現してくれますが、彼女達はレッスンプロでありショービジネスのプロではないのです。そんな事が当たり前に出来て広く世間に認知されているならば今頃ここにはいなかったでしょう。
準備段階で色々要求を出しますが、いつもここで自分に言い聞かせ諦めます

昭和の時代にはおみやげ景品に凝った事もありました。記念品としてわたされたそれらは生徒さんの思い出にもなると思いましたが、時代の流れと共に景品も安っぽくなっていき、生徒さん達も多様化していきました。単純にモノを貰ってもうれしくないという世代にもなりました。
結局、最初は良かったという感じになってしまいました。
先代から発表会参加料金を値上げするという方針を聞かされた時に記念品を撤廃して値上げを防ぎましたが、発表会そのものの楽しさが増えたワケではありません。

色々限界もあったり無理もあったりですが、考える事をやめてしまったらそれで楽しくない発表会を継続って事になってしまいますので出来る限り考え続けていきたいと思います。

今年は時間が許す場合のみ開演直前に個人の撮影会を行いました。
ご父兄にも舞台に上がって頂き、ご自分の子供を舞台上で好きなように撮影するという試みです。結局開演中の楽しみが増えるわけではありませんが、普通は絶対に撮れない角度からの画像が手に入ったと思います。まぁでも開演時間ギリギリに来られたかたや開演時間過ぎてから来た方々は撮れなかったと思いますが・・・
これも発表会が終わった後に写真を見てご家族で「あの時こうだった。この時はあーだった」と思い出の一つになってくれれば幸いです

出来る事は限られているとは思いますが、これからも考えて考えてやっていきますので、生徒様、ご父兄様なにとぞ宜しくお願い申し上げます。


2019年3月22日

三陽楽器店
 社長 野口昌宏